あなたの心理テスト(ホラー)
 「きゃ~、努君、怖~い!!」


 椅子に座ったまま、くねくねと体をくねらせる正。


いつもなら笑うところだが、くるみの死と正の迫力に皆黙っている。


 女子の中にはくるみの死を信じられず放心する者もいれば、


くるみとの出来事を思い出して、泣いている者もいた。


 男子はくるみのファンが多く、大袈裟ともいえるほど泣き出す者も少なくはなかった。


「正、ふざけるな。お前は悲しくないのか?」


「え~?俺?教えてほしい?」


 努の迫力に怖気づくことなく、未だにふざけている。


「教えるも何も、悲しいかどうか位言えるだろ」


「俺はね……全く悲しくありましぇ~ん!!」


 あっかんべーをしてついに正は立ち上がった。


努より身長が高いため、努が正を見上げる形となった。


「クラスメイトだろ?嘘をつくな」


 溢れ出しそうな怒りを無理矢理抑え、あくまで冷静に言い合う努。


 周りのクラスメイトは巻き込まれないよう、皆目を伏せている。


「俺が大事な女は彼女だ・け・な・の!」


 フフン、と鼻で笑い、続けて、彼女のいない努君はかわいそうだね。と言い放つ。


 周りのクラスメイトはもう怖くて耳をも塞いでいる。


「クラスメイトだろ?仲間だろ?俺は、俺は……」


 そこまで言うと努は徐々に泣き始めた。


「俺は悲しくてどうにかなっちまいそうだよ!!!」


 鼻声で訴えかけるも、


「へぇ~?ご愁傷様です。チーン!」


正には通用しない。


「俺はな、こんな事実、受け入れたくねえよ!!


 いきなり死ぬだなんて聞いてねえし、そんなこと思いもしなかった。


 お前にはわかんねえかもしれないが、俺はまだ…認めたくねえんだよ!!クソが!!」


「クソって…努君、お下品ね~?クソってうん―――――」


「うるせええええ!!」


 努はついに堪忍袋の緒が切れ、正に殴りかかった。


 これには正も予想しておらず、一瞬冷や汗をかいた。


努の拳が正の顔の目の前に。


 五十嵐が止めようと動いた時には、


ばきっ。


もう遅かった。
< 30 / 52 >

この作品をシェア

pagetop