恋愛メンテナンス
clean 21 イヤなモノはイヤ!
とりあえずスマホの点滅先のモモちゃんにライン。

『明けましておめでとう!めでたく食われて作戦成功?!』

すると、モモちゃん。

『初詣の約束、ごめん。前の飲み会の営業マンさんに誘われて、本当にごめんね。ところで作戦成功?!って???』

ハンドクリームが決め手だった。

私の思い付きで、塗ってあげた事で獲得した永田 輝からのキス。

それから、永田 輝の彼女という座。

『食う前に食われてしまったというか(笑)私も初詣、彼と約束しちゃったから気にしないでね』

仕事はじめは、私は営業所の掃除と昼から若い男の子2人と、副所長の持ち場の公衆トイレの清掃に出掛ける。

所長の代わりに、副所長の輝は本社に全体集礼に朝から出掛けている。

営業所に戻って来るのは、私が帰った後みたい。

…ちょっと、寂しい。

夜になってもまだ、アパートには帰って来ない。

輝…何、どこウロついてんのさぁ。

もしかして、また…自分の家族に会ってるの?

年が明けたから?子どもに会いに行ってるの?

やだっ!

それで私は輝をお預けだなんて!

何か作戦考えなきゃ。

もう絶対に、家族なんかに会いに行かないようにするために。

輝は、結局その夜は私を放っておいて、12時近くにアパートへと戻って来ていた。

私はとっくに明日も仕事で、布団の中。

輝のバカッ!

数日後、初詣に2人で出掛けた。

あの日、帰りが遅くなった理由は本社の連中と新年会だったから。

って話を、アイツが所長に報告してるので知った。

でも!でもさ!

あんなに、深夜遅くまで会社の連中と居られるような、ルーズな奴じゃないと思うの、アイツは!

絶対!絶対に隠してる!

でも、聞けなかった。

聞きたくない事を吐かれるのが恐くて。

輝の口から。

輝の声で。

『妻や子ども、家族』

だなんて、言葉は絶対に聞きたくないから。

輝は私の中では、私だけの輝で。

たった1人の、どこにもいない男で居て欲しいから。

現実を認めたくない。

「おい!…おまえ、本当に人の話は上の空だな。どこへ飯食べに行くか?って聞いて、どんだけ考えてんだよ」

輝はいつもの表情いつもの口調で、私を叱った。

おめぇの事、考えてたんだよ!

「ラ、ラーメン?とか?」

「はぁっ?!」

肝心な事って、決まって言えないのは。

別に私だけじゃないよねぇ?

「もぉ、ったく…ラーメン?じゃあ俺は麺系は飽きたからハンバーグ…」

輝は眉間にシワを寄せて八の字で、車のハンドルを握って、アクセルを踏んだ。




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