恋愛メンテナンス
着いた先はファミレス。

しかもゴロゴロ、ウジャウジャと、わいて出たように家族連れがゴッタ返す。

何が嫌かって、鼻水ダラダラ、頭フラフラの泣き叫ぶ、小さい子どもを抱きかかえる、ママ友だとか俗に言う集団が、本気でウザイ!

子どもが叫ぶ時点で、外出てけよ!とか思うし。

そういう集団は、そういう施設でタムロしろ!とか思うし。

ってか、結局子どもなんてどうでもいいんでしょ?

あんたらが、何かしらの自慢話か愚痴をこぼしたいだけなんでしょ?

うーざーいー!!

だったら、結婚して子ども産むなよ。

もっと独りで自由に生きたらいいじゃんよ。

私はもう、本気で心にワサワサと剛毛が生えていく感覚がして、イライラしていた。

「おい!…また上の空だぞ。おまえ何か調子でも悪いのか?禁煙席か喫煙席か?って聞いてんだよ」

「喫煙席!」

「はぁっ?!」

禁煙席だなんて、とんでもない。

あの、うるさい集団は絶対に禁煙席をブン取って、我がモノ顔で店員を奴隷のようにコキ使うんだから。

近くに居たら不愉快極まりない。

「美空は改名して、上の空としこにしたらどうだ?」

輝は、決まった!という顔をして私を見て訴えるけど。

全然そんな事、どうでもいいわ!

ってか、独りでウケてるから…。

輝、ちょっと天然ボケな傾向有りかも。(笑)

私は店員に言った。

「なるべく静かな席にして下さい。隅の方とか…」

「はい、御案内致します」

私たちは、喫煙席の一番離れた隅の席に座った。

「としこ?…おまえ、急に顔色って言うか、表情がなんちゅうか…しんどそうだけど大丈夫か?」

「うん、ちょっと…」

心配そうに輝は私を見つめる。

身体の調子が悪いんじゃないの。

心の調子が、崩れちゃうの。

子持ちの主婦も、子どもも嫌いなんて。

本気でそう思ってる事。

奥さんも子どもも居た輝に、打ち明けたらどう思うかしら。

何も言わなくても。

気が付いて欲しい。

輝の鋭い勘で。

「としこ?…頭ん中には俺は居る?」

輝は、神経質で心配症。

予想だに出来ない、予測不可能な事に対しては、凄く反応が敏感で…。

「居るよ。輝の事しか頭に無いもーんだ」

きちんと自分を安心させるために、素直に自分の腹の中で思う事を伝えてくれる。

「なら、いいけど」

私とは逆だな。

真っ黒な私。

輝はやっぱり、キラキラしてるだけあって、いつも心は真っ白だ。

「としこ?…」

「えへへ。醤油ラーメン食べよっと…」

涙ぐんじゃう…。

たぶん、私…。

今、うらやましいなぁって思ったから。

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