私は異世界の魔法使い?!
「ねぇ、迷宮の森ってどこにあるの?」
「……」
ーーカチン。
私の脳裏のどこかで火付け石を叩くような音が鳴った。
どうやらカイトはその表情だけで私を苛立たせる特技を持ってるみたいだ。
馬鹿っぽく口を少し歪ませながら、片眉を落として眉間にも額にもシワを寄せて、へっ、っと息を吐き出すような表情。
そんな事も知らないのかとでも言いたいのだろうか。
どっちにしろ、ものすっごく腹立たしい……。
「……なにその表情。ものすっごく不細工なんだけど」
「お前に言われたくは無いがな」
「あーそう! でもそれってミアも不細工って言ってるようなもんだよね」
「馬鹿か、一緒にするな。あの方とお前は月とスッポン、湖と肥溜めくらい違う」
コイツ、マジで腹立つな!
さっきまでは私の顔にミアを重ねてたくせして!!
カルシウムがどんどん無くなってく気がするから、もう静かにして道はカイトに任せよう。
どうせ目的地は同じなんだし……。
そう思ってた矢先、今度はカイトから声をかけてきた。