私は異世界の魔法使い?!
「なんで……? どうしてなの」
私の視界右側からすっと左側へと消えてった。
「ちょっと冗談やめてよ。どっかに隠れてるんでしょ? ちょっとカイト、出てきなさいよ。どこにいるのよ」
目の前の景色は変わらない。
ただの一本道。
道の両端には黄色い木々がカラフルな色の葉を付けている。
そんなある意味で殺風景とも言える景色を見て、黙る。
カイトの返事を待って。
……けれどそれは一行に聞こえてこない。
今さっきまでカイトが立っていた場所まで歩き、そこに立つ。
そこから辺りを見渡して再び声をかけた。
「カイト、本当にいないの? ねぇ、ブルーベル。これもまた、アンタの仕業なの?」
どちらの声も返ってこない。
「なんで急に……」
突然放り出された感じがして、私に不安を募らせる。
急に寂しくなって俯いた。