私は異世界の魔法使い?!
「宮殿に私もお供いたします。傷は癒えたとはいえ、まだ体は本調子ではありません。その上杖も無しにひとりであそこに向かうのは危険ですから」
「……へっ?」
予想だにしなかった答えに私は完全に肩透かしを食らった。
「なんで?」
そう吐き出すのがやっとだった。
なんでお供?
私を助けたのはミアだと思っていたからだろう。
それは間違いないはず。
なら、私がミアではないと知った今、これ以上私を助けて何のメリットがあるというのだろうか。
ミアと同じ魂だと言ったから?
でも本当にそれを信じているの?
信じたからってミアじゃないのであればそこまでする必要はあるの?
私の疑問は全て表情にでも出ていたのだろう。
アルフレッドはほんのり目を細めて、可笑しそうに微笑んだ。
「あなたは私の知るミア様ではないと言う。……しかし勝負の時、あなたは水虎を助けてくださった。あの時のミア様のように……」
あの時……そう言いながら彼が私を見る目が、どこか遠くを見ていた。
きっと初めて出会った時を思い出しているのだろう。