私は異世界の魔法使い?!
金色の髪、エメラルドグリーンの瞳、整った顔立ちに、色素の薄い肌。
騎士の服がよく似合う王子様。
そんな事を妄想させる彼は、私の手を取り、再びキスをする。
「簡単に言ってしまえば、実亜様の力になりたいと言う事ですよ」
にっこり微笑む彼を見つめ、何か言わないとと思うのに、言葉はなかなか出てこなかった。
ただじっとそこに膝をつく紳士な王子を見つめるだけ。
こんな扱いを受けた事がないから、どう反応すればいいのかわからなかったのだ。
「なにか言ってくれませんか?」
せっつくようにそう言う彼に向かって、とりあえず……。
「実亜様はやめてよ。実亜でいい……」
そう言うのがやっとだった。
照れくささを必死に押し隠し、私もアルフレッドを見つめ返す。
そんな私の心情もきっと彼にはバレているのだろう。
ふっと小さく息を吐き出し、目尻を下げた。
「仰せのままに」