私は異世界の魔法使い?!


「……riria、短い間だったけど、ありがとう。私どうしても行かなくちゃいけないんだ」


そう言ってにっこり微笑んだ。

それは私の精一杯の笑顔。


私、ちゃんと笑えてる?


「実亜、待って! また作ればいいじゃない! だってそれは出口がないのよ!?」

「わかってる」

「わかってないわよ!」


ああ、ririaは優しいね。

本当に優しい人。

アルフレッドのお姉さんなだけあるね。

彼もソーサリーではすごくお世話になったから。


そんな話もしてあげればよかったなぁ。



だけどごめん。

どうやらその時間は無いみたい。

だって私はどうしても行かなくちゃいけないから。


私には何の力も無いし、ririaみたいに知識も無い。

いっつも弱音ばっか吐いちゃうし、人に頼ってばかりですごく情けないなーって思うんだけど……それでもなんだかんだと歩んできた時間がある。


知らない異世界に飛び込んだ時みたいに、私はもう一度賭けてみようと思う。



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