私は異世界の魔法使い?!


「近寄るな。偽物はお前だろう」


そう言って、カイトはmiaに剣先を向けた。

miaの足はピタリと止まる。

表情は固まり、どんどん白く色を失ってゆく。


「悪いが俺は記憶を取り戻したんだ。お前に封印されていた記憶がな」

「カイ……」

「気安く触るな」


伸ばした手は、カイトに振り払われた。

その瞬間、私の胸が悲鳴を上げた。


ああ、同じ顔って厄介だね。

傷ついたってって顔をしたmiaが、自分とダブって見えるから。


「ミア様がいなくなった原因はお前か。ミア様をどこに隠した? あの方に何かしたのなら、俺はお前を……」

「どうして!」


miaの手が震えている。

声高らかに叫んだ言葉は、空を裂き、心を砕いてしまいそうなほど悲痛なものだった。


私は相変わらずカイトに抱きとめられた状態で、その場に蹲って、miaを見上げる。


「同じ顔なんだから、いいじゃない! 同じ魂なんだから、私でもいいじゃない! なのにっ、なんで……なんでよ……!」


奥歯を噛み締めて、眉間にシワを寄せて、足を踏ん張って……そうやってmiaは立っていた。

でも、それは……。



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