私は異世界の魔法使い?!


「おねーちゃん戻ったんだね。ケケケッ、命拾いしたねー」

「ブルーベル」


手のひらサイズの小さな白い妖精は、愉快そうに私の周りを飛び回る。


「ブルーベル、ありがとう」

「いやいや、何お礼とか言っちゃってんの? 僕はこれを取り返しにきただけなんだけど? ついでにおねーちゃん達を寝かしちゃおうって思っただけなんだけど? ……失敗したけどね、ケケケッ」


そう言ってブルーベルの小さな体から出てきたのは小さな苗木。


いつの間に……。


「まぁ、これさえ返してもらえれば、もう僕はこんなところに用は無いからね。じゃっまたね、おねーちゃん」


そう言って、ブルーベルは姿を消した。


なんだかんだ言って、あの妖精も悪いやつじゃないのかも……?

なんて言ったらカイトはきっと否定するんだろうな。


そんな事を思いながら、まだ夢見心地の感覚が抜けきらない中、目が覚める声が前方から聞こえる。


「カイトっ、その子は偽物よ!」


悲鳴に近い金切り声と共に、miaがずかずかと足音を立ててやって来る。


するとーー。



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