私は異世界の魔法使い?!
負けるな。気持ちで負けるな。
カモタケツの言う事も理解出来る。
……けど、やっぱりこんなの間違ってる!
「お前は自分の私利私欲の為じゃない! その為に周りの被害を考えた事がある? 自己の重要感を満たす為に誰かを傷つけるのは横暴よ! ただの我が儘よ!」
「それの何がいけないのじゃ!」
「そんなんで人の上に立とうとなんてするなって言ってんのよ!」
私はまだ13年しか生きてない。
まだまだ人生においてカモタケツ達大人からすればひよっこかもしれない。
でもミアがこの国の頂点を目指したのには、ちゃんと信念があった。
高い誇りを持って、挑んでた。
それはカイトの記憶の片隅で見たもの、色んな人に出会って感じたもの。
ーーカモタケツにはそれが無い。
それは青空市場を見れば一目瞭然だった。
ミアが治めていた時と、カモタケツが治めていた時の活気の違いが、何よりの答えだと思う。
「……それほどに八咫烏が偉いのか。ならばーー」
カイトは落ちていた剣を拾い、眼にも止まらぬ早さでカモタケツに切り掛かった。