私は異世界の魔法使い?!


なかなか剣を収めないカイトだが、命令だと言うと渋々ながら剣を鞘に収めた。


「それより何か急いでるんでしょ」

「そうでした!」


……忘れてたんかい。

ほんと、どっか抜けてるんだよね。


とりあえず誤解を解かねばと思い再び口を開こうとしたが……。


「ミア様、戻られましたか」


今度は別の人間に引き止められてしまった。


今度は誰だよ、ってそう思い、声のする方を振り返ると……そこにいたのは金髪のブロンドヘアーが眩しい男性。

長ったらしい前髪をさらりと手で流し、ほんのり笑みを携えてこちらに向かってやってきた。


……誰?


見覚えのない相手。

私よりも年上で、長身だ。

服装もカイトそっくりな王子様系騎士。

紺色の服に黒のマント。

それを靡かせながら私の目の前までやって来て、跪いた。


「このまま不戦勝になればあなた様に傷を負わすこともなくこの宮殿は私のものになり、そしてーー」


言いながら私の手を掴み、甲にキスを落とした。



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