Tea Time

彼女は、就職して五年間、本社勤務だった。
三年前、ちょうど俺が入った年に、支社に異動してきたのだ。

「本社へ帰りたい」と言う、彼女のセリフをこれまで、幾度となく耳にしてきた。


俺はまだ本社を知らない。

「今は、どこに行っても一緒」


沢野さんにそう言われてもなお、彼女は言った。


「それでも本社がいい」
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