Tea Time

それから数日後、俺は偶然、通用口で彼女に会い、半ば衝動的に声をかけていた。

「折屋さん、今日、何か予定ありますか?」


彼女は一瞬、目を大きく見開いた後、瞳を揺らしながら言った。

「いいえ、何も」


次の言葉を待って、じっと見つめられた俺は息苦しくなって一気に言葉をはき出した。

「夕食、つきあってもらえませんか?」


とたんに笑顔になる彼女。

しかし、目はまだ何か問いたげで、探るように俺を見上げながら、うなずいた。
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