水底に囁く。
いつの間にか、ぼくは人間の少年の姿になっていた。

「えっ? どうして? ぼく、体があるよ」

ぼくが戸惑っていると、人魚がふふ、と笑った。

「なにも不思議なことじゃないわ。ここはモノの世界ではないから、願うだけでモノが勝手に現れるの」

よくわからなかったけれど、ぼくは頷いた。すごくいいことを思いついて、それどころじゃなかったのだ。

「ねえ、人魚さん!」

「なあに?」

「あのね、ぼく、すごいこと思いついちゃった!」
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