磁石な関係

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翌日。

頭痛と手首の痛みにうなされて、よく眠れなかったせいなのか、久々の遅刻。
がらんとした下駄箱に放り投げるようにローファーを入れ、上履きを履く。

廊下も陸上部並のダッシュで走る。


チャイムが鳴る前に席に着けば遅刻はまぬがれる。
あとは出欠確認の時にいるかいないかくらい。

腕時計に目を落とすと、秒針があと一周すればチャイムが鳴る。


「…クッソ……っ‼︎‼︎」



目の前に迫る教室の扉に手を伸ばす。

そしてー、





「おはようございますっ‼︎‼︎‼︎」

キーンコーンカーンコーン





ピシャーンと扉が開く音にチャイムは掻き消された。




「…はっ…はぁ……山口先生…、今のは……」

夢中で走ったからか、胸がゼイゼイうるさい。
ゆっくり、フラフラしながら、席に着いた。


担任の山口泰造は「金子」と出欠を読み上げる。


…多分セーフなんだろうな。




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