おとななこども
何故か知らないけど、あたしの隣には委員長ではなく会長が座っていたのだ。

会長は文庫本からあたしに視線を向けると、
「笹野さんに場所を変わってもらえないかとお願いしたんです。

そうしたら喜んで変わってくれました」
と、丁寧に説明してくれた。

クソ、委員長のヤツ~!

絶対覚えていろよ~!

って言うか、“喜んで”と言うところがムカつく。

「桃」

会長に名前を呼ばれた。

彼はいつもの、デレ甘い笑みを浮かべていた。

そんな笑みを見せられたあたしは、どうすることもできない。
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