おとななこども
「じゃ、ごゆっくり」

百花ちゃんは微笑んで、丁寧な動作で扉を閉めたのだった。

ごゆっくりって…ちょっと!

「平岡さん、こちらへ」

会長がデレていると言っても過言ではない笑顔を見せたのだった。

クッソー…。

まさかとは思うけど、兄妹で結託してるってことないわよね?

ものすごいありえて怖いわ。

まあ、さすが…華道家の家だわ。

離れ座敷なんて、時代劇の世界かと思ってた。

「ここ、おじいさんの家兼仕事場なんです」

前を歩いている会長が言った。
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