先生の「特別」にしてくださいっ!
正直、責任を感じてないと言ったら嘘になる。

「エポニーヌなら、
オン・マイ・オウン歌うよね?
だったら凛、歌ったことあるし、
今からでも間に合うんじゃない?」

雪乃が言う。

文化祭までもう一月もない。
自信はないけど、
雪乃の言う通り、
できないこともないかもしれない。

来週には、実家に戻るし…

「希美がいなくなった中3は温厚だよ?
あいつ、
なんだかんだ同学年から嫌われてたから。
今は一つ下とももう仲いいし。」

私の陰口を言っていたのは、
ほぼ、希美ちゃんだった。

戻っても嫌な思いしなくてすむかな…

「皆、たきのりに
戻ってきて欲しいって言ってるよ?」

正直、先生のことを忘れるために、
何かに打ち込みたくもある。

「わかった。じゃあ、引き受けるよ。」
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