先生の「特別」にしてくださいっ!

逃げるな!

「だからあー!皆、騒ぎすぎなの!
ちょっと発作起こしただけじゃん!」

「騒ぐわ!普通、騒ぐわ!
もう彩音が死ぬかと思ったんだから!」

「はあ!?
あのくらいで、私が死ぬわけないでしょ?」

「今の彩音の姿を見たらそうだけどさあ。」


文化祭が終わり、
彩音のことが心配だから、
剛先生に電話をかけたら、

「彩音さんなら、とっくに元気ですよ?」

って言われた。

ので、学校帰りに病院にお見舞いに寄る。
雪乃は試合が近いみたいで、
練習だから来られないらしい。

ったく!患者が患者なら、医者も医者だよ!
人に散々心配かけといて!
連絡のひとつでもいれろや!

って思ったけど、

「まあ…元気そうで良かった。」

「…色々、迷惑かけてごめん。」

「わかれば良い。
もうあんな無茶しないでよね?」

「………そうだね。」

「え?やけに素直じゃん?どしたの?」

「あ…!
えっと、皆がまわりで騒ぐのがうざいだけ!」

「ふーん…」

何か隠してそうだけど、まあいいや。


「ところでさ…たきのり…」

「ん?」

「えっとね…」

何だか言いづらそうだ。

「何?どしたの?」

何か嫌な予感もするけど…

「私ね、あのメガネから聞いちゃった…」


嫌な予感は的中した。


「たきのりと谷中先生のこと。」
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