不器用桐谷さんと桜井くん
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「仲良くなりたいとか思ってないから。」
桐谷さんは、そう言って歩いていってしまった
周りには、しばらくの沈黙が。
「なにあれ?何様のつもりなのかな。」
「顔がいいからって、生意気。」
という声が女子からあがる一方で
「あ~、俺。桐谷さん狙ってたのになぁ。行っちゃった…。」
「あの、冷たい性格もいいなぁ。」
と、男の子から好評の声も。
桐谷さん…。
同じクラスだったよなぁ。
教室に居たときから、目立っていた。
細くて女の子らしい華奢な体に、癖ひとつない長い黒髪。
小さい顔に、透き通るような白い肌。
可愛いというより、大人っぽくて綺麗な顔立ちだ。
「あの言い方はないよねぇ、駿?」
隣にいる真家麗奈(まいえ、れいな)が、頬を膨らませて言ってきた。
「まぁ、人それぞれだからね。」