My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ


問いかけた私の側まで、音も無く歩み寄ってくるホリス

今日も、どこか冷たい雰囲気を纏っている



昔と変わらないのは、その美しい銀色の髪

ただ、それだけ――




「どうした?」

「あの男の事です」



あの男。

と言われてピンとくる

無論、ホリスがそう呼ぶ男など1人しかいないのだが




「アレンがどうした?」




彼の話だと分かって、無意識に体が前に出る

そんな私の姿を見て、微かに目を細めたホリス




「騎士入団の件です」




高揚のない声からは、それがいい話なのか悪い話なのか分からない

ただ淡々と言葉を落とすホリスの瞳をじっと見つめた

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