My Precious ～愛する人よ～ Ⅱ

アレンの騎士入団の話は、以前から私がホリスに提案していた

確かに他国の騎士ではあるが、アレンの剣の腕は我が国の中でも群を抜いている



あのガスパルに襲われた日、以来

私は剣を振るう彼の姿が頭から離れないでいた

少しの無駄もない、美しいその姿を




「いい返事なのか?」




以前この話をした時、ホリスはどうも納得いかない様な返事をしていた

きっと他国の者だから信用できぬ。と思っているのだろう



確かに、この国の者でないアレンは危険要因として監視を続ける必要があると、騎士団の中でも声が上がっているのは、私とて知っている

しかし、彼は我が国を脅かす様な事は決してしない

少しの間だが、共に話をして分かった



とても心の優しい男なのだと思う

そして今は、その彼の優しさや温かさに心を奪われた身でもある