LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

「経済的にも大変でしょう。仕事だって、正社員ではないみたいだし、うかうか病気にだってなれないし…」

（な、なんでそんなこと…っ）

「あ、あなたには、関係ないことです！」

　深空はひどく落ち着かない様子で言い放った。

　すると翠はちゃぶ台から一歩下がり、手を付いた。

（や、やめ…っ）

「深空さん、お願いします。深雪ちゃんを私たち夫婦にください」

　翠は、額が床に擦れるほど頭を下げ土下座したのだ。

「養子を取ろうとも考えました。でもそれでは意味が無いんです。あの人の血が繋がった子でないと、あの人は……」

　涙混じりの声で、翠は訴えていた。

「冗談はやめてください。あの日の夜のことを許す代わりに、こどもを寄越せとでも言うつもりですか…？　それなら気の済むまで殴られた方がマシよ…！」

　深空が声を荒げたその時、パジャマに着替えた深雪が隣の部屋から出てきたところであった。深空は深雪の腕を取り、自分の元に引き寄せる。そしてぎゅっと抱きしめた。