LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 一日の始まりは、きちんとした朝ごはんから――

 片親だからといって、それに決して甘えない。手をかけすぎるわけではない。しかし、抜くわけにはいかない。忙しい朝だからこそ、きちんと起きて朝ごはんを食らう。深空の子育ての上でのこだわりだった。

「いただきます」

 手を合わせ、二人声を合わせる。皿に盛ったロールパンをひとつ、深雪に渡し、コーンスープをふうふうする深空。

「熱いから、気をつけるんだよ」

「うん」

 深雪はそう返事をしながら、ガツガツ食べていた。そんな彼女の様子を微笑みながら、深空もサラダに手を付けた。

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