青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
うーんと悩んで、悩んで、ベッドの上でごろごろと動き回る。
で。
「………わっかんね」
考えるのを、やめた。
だって、わかんねーし。
あんな可愛くて明るくてイイ子が、俺のこと……ない、よなぁ。
そう思いながら、昨日の利乃ちゃんの表情を思い浮かべる。
俺に『泣いてもいいんだよ』と言った、彼女は。
…泣くのを、こらえているように見えた。
だから、気になる。
横断歩道の向こう側、俺を引き止めて慎也と麗奈ちゃんを見つめていたときも。
背伸びをして、俺の耳元で『ごめんね』と言ったときも。
彼女は辛そうで、けど無理に笑っているように見えたんだ。
それがどうしてなのか、俺にはわからない。
俺の弱さに気づいた彼女だから、きっと俺の見えないところで、何かに悩んでいるのかもしれない。
そう思って、利乃ちゃんの言葉はぜんぶ、矛盾してるなぁと思った。