青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。

そして、不意に憂いた瞳で微笑む。

優しい優しい、目の細め方で。


「……前に、たくさん泣かせてもらったからさ。いくらでも付き合うよ」


身体中を暴れていた感情が、綺麗に溶かされていくのを感じた。

それから私は、気が済むまで窓側の席で泣いて。

目が腫れて、トモくんにからかわれるくらいにはひどい顔になって。

それでも、心地よかった。

彼と歩く道は、息が詰まることもなかった。


…けど。


『泣いてないんだろ、ずっと。俺が、東京行ってから』


慎ちゃんは、いつだって心の底から心配してくれる。

だけど、私はそれに見て見ぬ振りをしなきゃいけない。

だって私は、きっと、もう。


彼の、『いちばん』じゃない。