神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
書道の授業中は、とても静か。
黒板に貼られた先生のお手本を見て、ひたすら半紙に集中するだけ。
最後のはらいがうまくいかなくて、ボツとなった半紙のあいたところで何度も練習する。
少し疲れたところで息を吐いて、周りを見回していた。
芸術選択科目の書道は、ほとんどの子の受験科目にはならない。
だからか、肩肘をついて適当にやっている子も何人かいる。
その中でも、びしっと背をまっすぐにのばして、集中し続けている人がいた。
槙原くんだ。
彼とは、あれから話していない。
話さなくていいように、あたしはいつも雷牙か奈々ちゃんの後ろに、離れてしまっている。
目があった瞬間、まるで幽霊でも見るような顔をされたりしたら……。
それが怖くて、自分から彼を見ることができなかった。
ダメだなあ、あたし。
四郎くんがせっかく、励ましてくれたのに……。
ため息をつくと、最後の一枚にとりかかる。
今日はこれを提出して、終了……となるはずだった。