神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「はい、じゃあ後ろから集めてー」
先生の言う通り、後ろの席の生徒が、提出用の作品を回収していく。
あとは各自片づけをするだけ。
「じゃあ解散なー」
先生のぐだぐだな号令に、昼休みの始まりを告げるチャイムがかぶる。
隣の席の男子が、我先にと椅子から立ち上がった。
すると彼の手があたしの硯に当たり、机の前方へと傾く。
あっと思った瞬間には、床にびちゃりと墨が巻き散らかされてしまった。
「うっわ!ごめんな!
かからなかったか?」
今まで話したことのない男子だったけど、素直に謝ってくれた。
「うん……大丈夫」
ビックリしたけど、前の席の子にも被害はないみたい。
「あーあ、やっちまったな。
いいよ、俺が片づけ手伝うから」
雷牙にそう言われると、昼休みを待ちかねていた男子は、もう一度謝って教室から出ていった。
「あたし一人で大丈夫だよ。
雷牙、先に行ってて」
「いーっていーって。ぞうきん持ってくるわ」