神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「こっちの泣きぼくろがあるほう。
こやつはろくろ首の六花だ」
髪が長く、たれ目で右の下まぶたにほくろがある美女がほほ笑む。
「ろっかちゃんって呼んでね!」
「つーか、ろくろ首!?」
「首、のびるの!?」
雷牙とあたしが驚くと、彼女はにっと笑い、髪をかき上げてその白い首筋を見せつける。
すると、その首がにょろりと、天井につきそうなくらいのびた。
「ひえええええ!」
「で、こっちが絡新婦(じょろうぐも)の、小糸(こいと)だ」
驚いたあたしにかまわず、四郎くんが紹介したのはもうひとりの美女。
厚くぽってりした唇は、男の子だったら思わずキスしちゃいたくなりそうなくらい魅力的。
「絡新婦って?」
「クモの妖怪だ。
人に化けたときの美しさで男を虜にし、油断したところを食べるんだ」
風牙くんの説明が終らないうちに、小糸さんは笑いながらその指からついーっと透明な糸を出してみせる。
それに反射する光のおかげで、なんとか糸だとわかった。