神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「美心!そいつの言葉に耳を貸すな!」
四郎くんがガイコツを一体杖で突き絶命させると、一直線にあたしの元へ駆けてきてくれる。
「お前の浄化能力が狙いだ!
ついていけば利用されて、食われるだけだぞ!」
四郎くんは叫びながら、オロチの尻尾に向かい、杖を振りかざす。
だけどその瞬間、他の尾が彼のわき腹にめり込んだ。
「ぐぁ……っ!」
「四郎くん!」
四郎くんは尾に跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられてしまった。
『娘よ……わしと共に来い……』
オロチの声が頭の中でこだまし、意識に雲がかかっていくような気がする。
このままじゃだめだ。
四郎くんに言われるまでもなく、こんな巨大な蛇の嫁とか、本当にムリだから!
「いやですーっ!」
あたしは首を思い切り横にふる。
頭の中からオロチの思念を追い出そうとした。
すると、頭を抱えた手から、オーロラ色の気がふわりと立ち上った。