神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


だけどオロチは、その全ての攻撃を、8つの首と尾で払いのける。


一度弾かれた四郎くんは、水たまりの中に着地した。


「ちっ!」

『今宵はもう飽きが来た。

わしの代わりに、こやつらが相手をしてやるわ』


オロチが言うと、それを取り囲むように、黒い煙のようなものが何本も立ち上る。


そこからゆらりと現れたのは、日本刀を手にしたガイコツたちだった。


『こやつらはあの時のキリシタンたちだ。 
成仏できずに、こうして妖怪になった』


オロチがそう言うと、ガイコツたちは四郎くんに向かって刀を向けた。


「お得意の戯れ言か。

たとえそれが本当でも、我は遠慮せんぞ!」


四郎くんはガイコツたちに向かい、杖を振る。


あっという間に囲まれてしまった彼を助けるため、スサノオ兄弟が走り出した。


『無力な者たちよ』


オロチは3人の隣をすり抜ける。


いけない、と思ったときには遅かった。


それは、あたしの方に向かってきていた。


『うまそうな娘よ……わしの嫁にならんか。
そうすれば、命は助けてやる』


ひとつの首が目の前にのびてきて、あたしを誘惑する。


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