神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
ブルーの瞳が、こちらを見つめる。
ふっと、四郎くんの力が緩んだ気がした。
「人間ごときが……!!」
そのすきを突き、オロチがこぶしを繰り出す。
「ぐ……っ!」
攻撃をまともに受けた四郎くんは、殴られたお腹を押さえて後退した。
「わしの楽しみを邪魔しおって……。
許さんぞ、天草四郎」
槙原くんの体から、ずるりと何かが脱皮していくような音がした。
すると体が床に倒れ、霊体のようなものが教室の天井に浮かんだ。
それは1つの頭の巨大な蛇の姿になる。
オロチの一部が、霊体となって現れたのだと、本能的に悟る。
「何度だって邪魔してやる。
我の大事なものを、お前が狙っている限り」
四郎くんはあたしの前に立ち、杖をかまえた。
『……近いうち、必ずお前を滅ぼしてやる。
残りの人間たちは、それからだ』
オロチはそう言うと、ふっと天井に消えていった。