神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
オムライスのいいにおいに反応して、お腹がぐうと鳴った。
うぅ、恥ずかしい……。
「あ、あたしも納豆ご飯でも食べようかな……」
スサノオ兄弟が笑いをかみ殺したのを見ないふりをして、立ち上がろうとしたそのとき。
「う……」
背後から声がして、全員でそっちを振り返る。
すると、天草さんがゆっくりと体を起こそうとしていた。
高い位置で結われた、黒よりもっと黒い艶やかな黒髪が、さらりと音を立てる。
日本人にしては彫りの深い、彫刻みたいな顔。
その白磁のような透き通った顔に浮かぶのは、南国の海にも、晴れた青空にも似た、ブルーの瞳。
長いまつげに縁取られたその碧眼が、何ともいえない不思議な気持ちにさせる。
「……なに見とれてんだよ」
雷牙がボソッとつぶやく。
「べ、別に見とれてなんか……」
……いたけど。
「……ここは……」
声は低いんだけど、その響きの中には不思議な甘ったるさが残る。
「あ、あの、天草さん……」
寝ぼけているような彼に話しかけようとしたんだけど、いったい何をどこから説明したらいいのか。
迷っていると、天草さんは寝ぼけ眼のまま、ゆっくりとこちらを向いた。