神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
四郎くんはあたしの勇気を振り絞った告白を聞き、にっと口の端を上げる。
まるで、もう気づいていたと言うように。
なのに、耳元で意地悪く囁く声は、まるで悪魔みたい。
「信じられんな。
証拠を見せてくれ」
証拠?どうやって?
首をかしげるあたしに、悪魔な四郎くんが言う。
「お前から口を寄せろ」
口を寄せる?って……つまりキス?
あ、あたしから!?
四郎くんはにやにやとこちらを見つめている。
う……なんか、あたしだけ余裕がないみたいで、悔しい。
無理だと拒否しようとするけど、四郎くんは人の話なんか聞いてくれないヤツだし……。
ごく、と唾を飲み込む。
覚悟を決めようとするけど、心臓が踊り狂って、なかなかうまくいかない。
「あの、目を閉じてください」
苦し紛れにお願いすると、四郎くんは素直に目を閉じた。
全てを見透かしているようなブルーの瞳が隠れると、少しは緊張が緩和した気がした。