神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
大きな手があたしの手から離れたと思うと、そっと頬を包み込む。
ぼんやりしていたら、鼻先に何かが触れた。
それが四郎くんの鼻だと気づいたときには、すでに唇をふさがれていた。
お祭りのときと同じ、優しいそれはすぐに離れていく。
「お前が好きだ」
またすぐに触れられそうな距離で、甘い声が囁く。
「……好きだ、愛してる、なんて言葉、我の時代にはなかった。
便利だな。
気持ちを端的に伝えられる」
「四郎くん……」
ドキドキと、幸せで高鳴る心臓。
槇原くんに言われたときより、ずっと胸が熱い。
「……オロチには、絶対に渡さん。
お前は、我のものだ」
嬉しくて、でもビックリして信じられなくて。
いつからそんなふうに思ってくれていたんだろう?
聞いてもきっと、答えはないよね。
だって、あたしも……。
「あたしも、四郎くんが好き。
とっても、大事なの……」
いつからこんなに好きになっちゃったのか、わからないんだもの。