神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
家を飛び出したあたしは、スサノオ兄弟とすぐに合流した。
「いきなりいなくなったのか?
何も言わずに?」
あたしはうなずく。
昨日の夜までは、たしかにいたのに。
一緒にいるって、約束したばかりなのに。
スマホも何も持っていない四郎くんと連絡を取る術が、浮かばない。
「紙井湯先生のところは?」
「まだ……」
「じゃあ、電話してみる」
そうだ、オロチのことで何かあったのかもしれない。
紙井湯先生のところに連絡することさえ浮かばなかったあたしは、風牙くんに支えられて、雷牙が電話をかけるのをじっと見ていた。
「……わかりました。
すぐに行きます」
雷牙は少し会話をしたあと、すぐに電話を切った。
「四郎はいないみたいだけど、話があるって」
「とにかく、行ってみよう」
診療所にもいないんだ……。
「あたし、四郎くんを探す……」
「美心」
「だって、診療所に行ったって、四郎くんはいないんでしょ?」