神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
早く、彼を探さなきゃ。
嫌な予感が、あたしを突き動かそうとする。
「早く見つけなきゃ、いなくなっちゃう……!」
自分の声が震えているのに気づく。
それは悲鳴みたいで、スサノオ兄弟は驚いた顔をした。
「とにかく、今離れるのは危険だ。
何か起きているのかもしれない」
風牙くんが冷静に説得する。
「そうだよ。
きっと、大丈夫。すぐ見つかるさ」
雷牙はあたしの手をにぎり、診療所の方へ走り出す。
それはもう人の速さじゃなくて、あたしは引きずられるまま、後ろに飛んでゆく町を見ていた。
神の子孫の力なのか、あっという間に診療所についたあたしたちを、紙井湯先生が玄関先で待っていた。
「中に入って」
さすがに早朝から、外で妖怪がらみの話をするわけにはいかない。
言われるまま中に入ると、奥の居間から妖怪ガールズが飛び出してきた。
「美心ちゃん!四郎様は!?」
「いなくなったって、本当なの!?」