神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


気を……わけた?


「我に平気で向かってくるような強力なものは、無理やり視界に入ってくるだろうがな。

些末なものはお前が望まなければ、見えないし聞こえない。

悪さをすることも少なくなるだろう」


「じゃあ……美心の妖怪がらみの被害が、減るということか」


多少いらだちを含んだ、風牙くんの声。


無理やりに、納得しようとしているような……。


「ああ。感謝しろよ、美心。

余計なことは言わずに、我を敬え」


かんしゃ?

うやま……え?


ブルーの瞳が意地悪く笑って、あたしを見つめてる。


「だからって、いきなりキスすることはねーだろっ!」


雷牙のぶち切れた声が聞こえて、やっと自分がされたことを認識した。


ああ……四郎くん、気をわけるって……なんで口移し?


さっきみたく、指先をふれるだけで、気をわけることだってできるのに。


絶対、嫌がらせだ。意地悪だ。セクハラだ。


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