神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
風牙くんも雷牙も、みんなが気持ち悪いっていって避けてたあたしを助けて、一緒にいてくれたんだもん。
バカにされたら、許せない。
四郎くんの眉が、不快そうに歪むけど、そんなの知らない。
「あたし、四郎くんの言いなりになんかならな……っ」
言いかけたところで、また言葉は奪われた。
突然四郎くんが近づいたかと思うと、あたたかくて柔らかい何かで、口をふさがれる。
何が起こってるの?
理解するより早く、口の中から喉へ、体内へ、とろりとした霊気が流れ込むのを感じた。
それはさっき指先から流れてきた、四郎くんの金色の霊気。
はちみつみたいなそれが、あたしの体内を循環する。
「ちょっ、お前何してんだよ!」
雷牙の声がして、ハッと我に返る。
こ、こ、これって………?
いつの間にか体から力が抜けていて、四郎くんに寄りかかるようになっていた。
そんなあたしの頬をなでた四郎くんは、しっとりとした唇で、妖艶に笑う。
「……なに、我の気をわけてやっただけだ。
これで、低級な悪霊や妖怪に悩まされることはあるまい。
我の気に恐れをなして、近づけぬだろうからな」