イジワルなキミの隣で


「おま、お待たせしまし、たっ」



緊張から手が震えた。


声も。


顔が、見れない。


周りが賑やかで良かったと心から思う。


俯いたまま顔を上げることが出来なかった。



早くここから立ち去りたい。



「ふふ、新人さんかな?緊張してるの?」



えっ……?


ゆっくり顔を上げると、キラキラした瞳をした智沙先輩の綺麗な顔があった。



わ、どうしよう……。


目が合っちゃった。



「そんなに緊張しないでね?わー、美味しそう。光流、見て見てー。いい匂いだね」


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