イジワルなキミの隣で


あの日の出来事は誰にも言えない。


言いたくない。


少しでも口に出すと、じわっと涙が浮かんで来る。



心の中がモヤモヤしたまま、いつまでも気分は晴れなくて。


どんな顔して光流先輩に会えばいいの?



ううん、もう会えない。



智沙先輩にも。


きっと嫌われた。



ただ心配して声をかけてくれただけなのに……。


智沙先輩は何も悪くない。


わかってる。


悪いのは全部私だって。



それなのに

私はなんてことを。


< 114 / 420 >

この作品をシェア

pagetop