イジワルなキミの隣で


ドアをガラガラと開けて中に入る。


そしていつもの定位置である窓際に立って、そっと外の様子を伺った。



わわ、今日はちょうどのタイミング。


玄関から光流先輩と智沙先輩が出て来たところだった。



やっぱりカッコ良い……。


光流先輩は智沙先輩に甘い笑顔を向けて楽しそうに何かを喋っている。



隣にいる智沙先輩も、光流先輩の腕に自分の腕を絡めてとても幸せそうに笑ってる。



ズキンと胸が痛む。


この瞬間いつも胸が苦しくて泣きそうになる。


わかってる。


2人は付き合ってるんだ。


光流先輩には智沙先輩がいる。


私なんて相手にされない。


視界にさえ入らない。



2人の姿を見てればそれはわかる。


だってすごく幸せそう。


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