イジワルなキミの隣で
みんな気の良い人ばかりで、慣れない私にも優しくしてくれる。
特に店長とその奥さんにはかなり可愛がってもらっていた。
「萌絵ちゃん、俊(しゅん)君、お疲れ様」
営業が終了して着替えてフロアに出ると、まだ若い店長の奥さんの華(はな)さんがそう言って労ってくれた。
「す、すみません、今日はミスばっかりで」
華さんは笑ってくれてるけど、今日の私は本当にダメだった。
いつもはもう少しマシなのに。
シュンと肩を落としていると
「いいのいいの。私なんて萌絵ちゃんよりもっとひどかったんだからー」
と華さんは優しく笑ってくれた。