イジワルなキミの隣で


……あ、智沙先輩。



遠くの方に友達数人と歩く智沙先輩を見つけた。


先輩は私達に気付いていない。



挨拶、すべきかな……?


一応顔見知りだし。



そう思って声をかけようと身構えた。



だけど



智沙先輩は私に気付くとすぐに視線をそらして


わざとらしく友達の方を向いて私に背を向けた。



まるで話しかけるなというように、その背中からは何かを感じる。



疑問に思いながら立ち止まって振り返る。



だけど智沙先輩は前を向いたまま私の方を見ることはなかった。


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