イジワルなキミの隣で


「やっぱり屋上なのかも」



「だね。行ってみる?」



「うん」



「萌絵ちゃん!」



そう思って引き返そうとしたところで、教室の中から名前を呼ぶ声が聞こえた。



「ウサギ先輩……」



ちょっと!


声大きすぎですよ。


みんなが見てるじゃないですか。


ま、気にしませんけど。



「どうしたんですか?」



ニコニコしながら私達の前にやって来たウサギ先輩。



やっぱり可愛いなー。



「航希に会いに来たの?」



「べ、別に会いになんて来てません。ただ……探してるだけです」



って同じか。



「ふはっ……そうなんだ。探しに来ただけ、ね。あいつならさっきオニ先に呼ばれてたけど」



クスッと笑いながら、からかうように見られて恥ずかしくなった。


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