イジワルなキミの隣で
この顔で見られるとなんだか調子が狂うというか。
「はは、照れてんの?可愛いねー」
「なな、なに言ってんですかっ」
私の顔を覗き込むウサギ先輩の顔は意地悪そのもの。
そんな顔も可愛いけど、なんだか憎たらしい気もする。
「なにやってんだよ」
恨めしく先輩の顔を見つめていると、ふと背後からそんな声が聞こえた。
聞き覚えのある低い声に思わずドキッとする。
「お、航希じゃん。良かったね、萌絵ちゃん」
ニヤニヤ笑いながら、ウサギ先輩はからかうような瞳を私に向ける。