イジワルなキミの隣で


なんとか乗り切るしかない。


よし、頑張ろう!!



「あれ……?」



気合いを入れてトイレから戻ろうとした私の目に、ショーケースの中のケーキを真剣に覗き込む見知った人の姿が映った。



「ウサギ先輩?」



そっと近寄り声をかける。


男の人でこれだけケーキを真剣に選ぶ人は中々いない。


その横顔は子どものようにも見えて思わずクスッと笑ってしまった。



「萌絵ちゃん?」



「ケーキ好きなんですか?」



「うん!」



途端に明るい笑顔を浮かべるウサギ先輩。


なんか、可愛い。



「今日はバイトじゃないんだ?」



「はい。友達とお茶しに来ました」



そう言いながら座っていた席をチラリと見る。


< 382 / 420 >

この作品をシェア

pagetop