イジワルなキミの隣で
いるけど素直に“はい”と言えないのは、ウサギ先輩と仲が良い佐伯先輩だから。
「光流だろ?」
黙り込む私の背後から低く怒ったような声が聞こえてドキリとした。
振り返らなくてもわかるその声の主は
私の好きな人。
恐る恐る振り返れば、冷めた瞳で私を見下ろす佐伯先輩の姿。
「残念だったな、智沙とヨリが戻って。弱みにつけ込むチャンスだったのに」
「だから違うって何度もっ」
「強がるなって」
「強がってなんか」
フッと笑うと
佐伯先輩は私の言葉を聞かずに行ってしまった。
なんなんだよ、もう。
違うって言ってるのに。