イジワルなキミの隣で
目の前にはウェイトレス姿の佐伯先輩。
どうしてこんなことになったのか……。
「おい、バカ萌絵」
なっ、またバカって。
しかも萌絵って呼び捨てだし。
「バカは余計です、バカは。それと、出来れば苗字で呼んでくれるとありがたいんですけど」
先輩に名前で呼ばれるとかありえない。
「俺にそんな口の聞き方していいのかなー?もしかしたら俺に会いにここに光流が来るかもしんねえのに」
白い歯を見せてニッと笑う先輩の笑顔が憎らしい。
私が何も言い返せなくなるのを知ってて、そういうことを平気で言うんだ、この人は。
く、悔しい。
「まぁ別に名前ぐらいいいですけどね」
好きに呼んで頂いて。